当社で初めて車検を受ける車の場合にはお客さんにも説明をしているのですが、過去の車検等がディーラーや整備工場で行われていた車だと「整備記録簿」があってこの車の履歴がわかるので、今回整備する際に参考にしながら見る事が出来る。 しかし、記録簿の入っていない車両だと分からないので怖い部分がある・・・ 今回あったのは、当社でも初めて見たのですが「勧告」の文字が入った車検証。
これ何!? って聞いてみたのですが
中古車屋とか代行車検屋に多くあるのですが、ノー整備で検査場に持ち込んで検査を受けて、受かったらラッキー!! みたいなやつでお客さんに車検受かりましたと渡すやつ。これ点検をしていないわけで後整備でも記録簿(点検した証)を出す必要があるのですが、これを無視していて忠告があるのですが2回以上の忠告があると指導が入るらしいです。なので、想像するにノー整備で2回車検を受けていて忠告を無視し続けていた悪質なケース。
日本の制度は、車検自体は本来使用者本人が整備して検査を受けるものなのですが、自分で整備してやれる人なんてそうそう居ないので専門の業者さんに依頼して整備してもらう訳なのですが、ここからが問題で第三者に整備を依頼する場合は国の許可を得た工場しか認められないのです。「指定整備工場」はいわゆる民間車検工場でしてディーラー等のような所で自社に検査員を置き陸運局の代わりに検査をしてOKが出せる工場。「認証工場」これは整備をして検査だけを陸運局に持ち込んで受ける工場で当社もこれに属します。要するにこの二つだけが認められた工場なのです。 車検証にもどこの工場でやったかわかるように記載されるようになりましたので、一度自分の車検証を見られると良いかも知れませんね。 これはうちで受けた場合で、「認証整備工場」と書かれて 53-6132 とありますが、53は岐阜県のコード 06132はうちの認証番号なんです。なので全国どこへ行っても検索すると直ぐに分かるんです、構造変更検査を受けた車両だと検査時の写真もバッチリ出て来ますから、検査時に不正をしていると分かるんですよ!! なので、うちの場合はなるべく普段乗っている形を崩さないようにそのまま検査に持ち込むんです。そうしないと他府県に納車した車が次に継続検査を受けられないですからね・・・
これ以外で車検を受ける場合、本人が陸運局に受けに行くのは本筋なので何ら問題ありません。問題は「ユーザー代行」これは本人が点検整備して陸運局に行く時間がないから代わりに受けに行ってもらうのが趣旨なのですが、いわゆる「代行屋」と言うのが本人の代わりに本人の名前で点検していない記録簿を書いて、不具合箇所を直して行う違法行為ですわ・・・ 認証工場でないところではブレーキパッドすら交換してはダメなんです。001270264.pdf
こんな感じで国交省も忠告しているんですけどね。
なので、安く車検受けてあげるよ!! なんて言ってる車屋さんとかなんて、整備どころかタイヤすら外してない訳ですからね・・・それで車検代を取って商売している訳なんだけど、安かろう悪かろうの典型かな。
なので、うちら四駆屋さんなんかだとリフトアップなんて認証工場にしていないと出来ないんだよね・・・
まあ、うちは30年前に認証工場を取得したんですが、当時に改造屋で認証工場を取得した異例な事でしたから色々な事を言われたりチクられたりもありましたけど、自分で言うのも何ですが真面目にやってますからね。改造に該当する部分は全て改造申請しているし、全て持ち込み検査を受けているからね !! 軽ジムニーにオーバーフェンダーを付けて欲しいとか言う依頼なんて断ってますから・・・ちゃんと検査を受けてくれるならやりますけどね。(これ、安易に考えている人が多いと思いますが「脱税行為」なので、警察が介入すると刑事事件で逮捕されます、実際された人もいますからね。)
ここ読んでいる方達はそんな闇のような所に整備を依頼される方はいないと思いますが、みなさん慎重にショップ選びをして下さいね。